
書類づくりを少し楽にするICT化の始め方
「ICT化を進めたいんだけど」と園長から言われて、何から手をつければいいのか戸惑う。
同じ内容を何度も手書きで写している。毎月、似たおたよりを一から作り直している。そんな作業に時間を取られながら、「効率化したいのは山々だけど、新しいシステムを覚える余裕はない」——その気持ち、とてもよくわかります。
結論:いきなりシステムを導入するのではなく、まず毎回ゼロから作っている繰り返しの作業を見つけて、そのうちの1つをテンプレート化することから始めます。
ICT化というと大きなシステムを思い浮かべがちですが、最初の一歩はもっと小さくて大丈夫です。まず探すのは、毎回ゼロから作っている繰り返しの作業。そこを少し仕組み化するだけで、手応えのある時短になります。
- 毎月ほぼ同じおたより
- 毎年同じ時期に作る一覧や提出書類
- 何度も同じ内容を転記している書類
手順を小さく分けます

- 繰り返している作業を3つ書き出す:「またこれ作るのか」と感じる作業が候補です。
- そのうち1つだけ選んでテンプレート化する:迷ったら、一番頻度が高く、一番変更が少ないもの1つから。毎月のおたよりなら、変わらない部分を残した雛形を1つ作る。次回からはそこを埋めるだけになります。おたよりの整え方は 伝わるおたよりの整え方 も参考にしてください。
- ソフトを覚えなくてもできる方法から試す:新しいことを覚える余裕がなくても大丈夫。手書きの台帳を1つ作って次回はそこからコピペで写す、よく使う文章を「定型文」として手元に貯めて使い回す——それだけでも写し間違いと作り直しは減らせます。表計算ソフトに慣れている人は、同じ情報を一度まとめておくとさらに楽になります。
- 作った雛形の保存場所を決めて共有する:「どこに雛形があるか」を決めて他の人にも伝えておく。担当者が休んだり替わったりしても続けられます。
- 慣れてから次の1つへ広げる:一気にやらず、ひとつ定着してから次へ。続けやすさが大事です。
確認チェックリスト
まずはこの1つができていれば十分です。残りは、できるところから少しずつで構いません。
- (最低ライン)繰り返し作業を1つテンプレート化できた
- 毎回ゼロから作っている作業を把握しているか
- まず1つだけテンプレート化する対象を決めたか(頻度が高く・変更が少ないもの優先)
- 作った雛形の保存場所を決めて、他の人にも伝えたか
- 一度に欲張らず、ひとつずつ進める計画になっているか
- (個人情報を含むデータを扱う場合のみ)保管・共有のルールを決めてあるか
全部を一度に満たす必要はありません。最後の項目は、個人情報を扱わないおたよりの雛形づくりだけなら気にしなくて大丈夫です。
ICT化の補助金や導入支援は、自治体や制度によって対象・要件が異なります。金額や条件は断定せず、利用を検討する際は自治体や公式の案内で最新の情報を確認してください。ここでは「今ある作業を少し軽くする」考え方に絞って整理しています。
テンプレート化は、入園・退園のような時期ものの書類とも相性がよいです。手続きの段取りは 入園・退園事務の確認手順 に整理しました。

ICT化は、全部を変えなくていい仕事です。今日ひとつ、繰り返しの作業をテンプレートにできたら、それはもう立派な書類削減の一歩です。表に出にくい事務の仕事が、園の安心を支えています。