複数の保育ICTシステムのパンフレットを机に広げ、どれを選べばよいか迷った表情でタブレットを手にする保育園の事務担当者

保育ICTシステムの選び方:迷わないための比較ポイント

「そろそろ保育ICTを入れよう」と園長から相談され、いざ比較サイトを開いてみたら、会社の数も機能の数も多すぎて、どれを選べばいいのか分からなくなった。

登降園の打刻、指導計画、保護者連絡、請求——「全部できます」と書いてあるけれど、うちの園に本当に必要なのはどれなのか。値段も見せ方もバラバラで、比べているうちに疲れてしまう。その気持ち、とてもよくわかります。

結論:機能の多さで選ばず、まず自園でいちばん困っている作業を1つ決めて、その困りごとを解決できるかを軸に数社を同じ項目で比べます。全機能を比較しようとしないのが、迷わないコツです。

保育ICTシステムは、どれも多機能です。だからこそ「機能が多い=良い」で選ぶと、使わない機能にお金を払い、現場が覚えきれずに定着しない、ということが起こりがちです。大事なのは、機能表を端から比べることではなく、自園の困りごとに合うかという一点です。

何が起きているか

比較で迷子になるのは、多くの場合こんな状態です。

つまり、情報が足りないのではなく、そろっていない情報を無理に比べようとしているのが、しんどさの正体です。だからまず、比べる「土俵」を自分でそろえます。

手順を小さく分けます

自園の課題を書き出し、必要な機能に絞り、数社を同じ項目で比べる三段階の流れを明るい表情で指し示す保育園の事務担当者
いきなり比較表を眺めるのではなく、「課題→機能→比較」の順に進めると、見るべき点がしぼれます。

一度に全部を決めようとせず、順番に進めます。

  1. いちばん減らしたい作業を1つ書き出す:「登降園の記録と延長料金の計算」「毎月の指導計画づくり」「保護者へのおたよりと欠席連絡」——園によって痛いところは違います。まずここを1つに絞ると、比べる軸が決まります。書き出し方は 書類づくりを少し楽にするICT化の始め方 も参考にしてください。
  2. その作業に必要な機能だけを「必須」と「あれば嬉しい」に分ける:全機能を求めない。必須が3〜4個に収まると、各社を見る目がぶれません。
  3. 料金を「うちの園の規模」で見積もってもらう:定価の比較ではなく、自園の児童数・職員数で月額いくらになるかを各社に出してもらいます。初期費用・オプション料金・タブレット等の機器代が別かどうかも必ず確認します。
  4. 保護者側の使いやすさを実際に触って確かめる:保護者アプリは、保護者が毎日使うものです。デモや無料トライアルで、欠席連絡や写真の見え方を自分の端末で試します。保護者が毎日ストレスなく使えるかは、機能の数より大事なポイントです。
  5. 導入後のサポートと乗り換えやすさを聞く:不明点を聞ける窓口があるか、操作研修はあるか、そして将来やめる・替えるときにこれまでのデータを持ち出せるか(エクスポートできるか)を確認します。ここは後から効いてきます。
  6. 同じ項目をそろえた1枚の比較メモにする:2〜3社に絞り、「必須機能・月額・サポート・データ持ち出し」を縦に並べた自分用のメモを作ります。これで園長にも説明しやすくなります。

数社を残らず調べ尽くす必要はありません。候補は2〜3社に絞ってから、深く見る方がうまくいきます。

確認チェックリスト

まずは一番上の1つができていれば十分です。残りは、比べながら少しずつ埋めていきましょう。

全部を一度に満たす必要はありません。上から順に、決められたところにチェックを入れていけば、それで前に進んでいます。

なお、保育ICTの導入には自治体やこども家庭庁の補助が使える場合がありますが、対象・要件・上限額は年度や自治体によって変わります。金額や条件は断定せず、利用を検討するときは自治体やこども家庭庁の公式の案内で最新の情報を確認してください。ここでは「自園に合う一台を落ち着いて選ぶ」考え方に絞って整理しています。

選んだ一台のタブレットを手に、すっきりした机のそばで前を向いて穏やかにほほえむ保育園の事務担当者

ICTシステム選びは、一度で満点の正解を出す仕事ではありません。自園の困りごとを1つ言葉にできた時点で、もう選ぶ準備は始まっています。焦らず、うちの園に合う一台を、一緒に見つけていきましょう。表に出にくい事務の仕事が、園の安心を支えています。

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