
保育園の休憩とノンコンタクトタイム、午睡の時間で両方を確保するシフトの工夫
お昼寝の時間になると、ようやく職員室に戻って、お弁当を広げる。でも机の横には連絡帳の束と、今日中に書きたい日誌。「食べながら書いちゃおう」——気づけば休憩も記録も中途半端なまま、子どもたちが起きる時間になっていた。そんな昼下がりに、覚えはありませんか。
それは、先生たちの段取りが悪いからではありません。休憩と、記録や打ち合わせのための時間が、同じ「午睡の2時間」に区別なく押し込まれていると、どうしてもこうなります。ここでは、休憩とノンコンタクトタイムを分けて考え、シフトに先に書き込むやり方を、一緒に整理していきましょう。
結論:午睡の時間は「なんとなく空いている時間」ではなく、①休憩、②記録の時間(ノンコンタクトタイム)、③午睡の見守りの3つに分けて、誰がいつ何をするかをシフト表に先に書き込みます。休憩は仕事から離れられる時間、ノンコンタクトタイムは子どもと離れて行う仕事の時間です。混ぜないことが、両方を守るいちばんの近道です。
何が起きているか:休憩とノンコンタクトタイムが混ざっている
まず、言葉をそろえておきます。
- 休憩:仕事から離れて、自由に過ごせる時間です。労働基準法では、勤務が6時間を超えると45分以上、8時間を超えると60分以上の休憩を、勤務の途中に取ってもらう必要があります。
- ノンコンタクトタイム:子どもと直接関わらずに、記録・指導計画・打ち合わせ・おたより作りなどを行う時間です。こちらは仕事の時間で、休憩とは別ものです。
現場でよく起きるのは、この2つがひとつになってしまうことです。お弁当を食べながら連絡帳を書く、休憩中に「ちょっと午睡を見ててもらえる?」と声がかかる。こうした時間は、体は座っていても仕事から離れられていないので、休憩としては扱いにくい時間です。
そして、休憩が「記録の合間」になってしまうと、記録のほうも落ち着いて書けません。結果として、休憩は取れず、記録は持ち帰りになる——どちらも損をする形になりやすいのです。
これは、先生たちの気持ちの問題ではなく、時間の割り振りが決まっていないことから起きています。だからこそ、事務側でシフトに書き込んでおくと、現場がずいぶん楽になります。
具体例:午睡の2時間を3つに分けてみる

たとえば、2歳児クラスで職員が3人(Aさん・Bさん・Cさん)、午睡が13時〜15時の園を考えてみます。3人とも8時間を超える勤務で、休憩は60分ずつ必要です。
この2時間を30分ずつに区切って、「休憩」「記録の時間」「午睡の見守り」を割り当てると、たとえば次のようになります。
| 時間 | Aさん | Bさん | Cさん | フリー職員 |
|---|---|---|---|---|
| 13:00〜13:30 | 休憩 | 午睡の見守り | 休憩 | — |
| 13:30〜14:00 | 休憩 | 休憩 | 休憩 | 午睡の見守り |
| 14:00〜14:30 | 記録の時間 | 休憩 | 午睡の見守り | — |
| 14:30〜15:00 | 午睡の見守り | 記録の時間 | 記録の時間 | — |
数えてみると、3人とも休憩は60分ずつ、記録の時間は30分ずつ取れています。ポイントは、13時30分〜14時の30分だけ、フリー職員(または主任・園長)に見守りへ入ってもらっているところです。クラスの3人だけで回そうとすると、どうしても誰かの休憩が足りなくなります。この「30分だけの応援」を先にシフトへ書いておくと、全員の休憩がきちんと収まります。
見守りに何人つくかは、クラスの人数と配置基準、園の午睡チェックの決まりに合わせて考えてください。ここでは流れが分かりやすいように、見守り役を1人として並べています。休憩中の職員は配置の人数に数えられないので、見守りの人数が足りるかもあわせて確かめておくと安心です。
もうひとつのコツは、休憩の場所を保育室から離すことです。保育室の隅で休むと、子どもが起きたときについ手が出てしまいます。休憩室や職員室の一角など、「ここにいる人は休憩中」と分かる場所を決めておくと、周りも声をかけにくくなり、休憩が休憩らしくなります。
休憩は分けて取ることもできますが、10分ずつのような細切れにすると、休んだ実感がほとんど残りません。分けるとしても、30分以上のまとまりを目安にすると落ち着きやすくなります。
影響:時間が分かれると、休憩も記録も守りやすくなる
時間割が決まると、まず休憩が「取れたら取る」から「取るもの」に変わります。職員が落ち着いて休めると、午後の保育に向かう表情が変わります。
記録のほうも、「この30分は記録の時間」と決まっているだけで集中しやすくなり、持ち帰りの仕事が減っていきます。記録の時間をさらに短くしたいときは、日誌や計画をアプリにまとめる方法もあります。指導計画・保育日誌をアプリで書く|入力がラクになる項目と定型文の整え方 も参考になります。
もうひとつ、あとから振り返るときにも役立ちます。休憩とノンコンタクトタイムがシフト表に書いてあれば、「取れた・取れなかった」を確かめられます。取れない日が続くクラスが分かれば、応援の入れ方を見直すきっかけになります。
なお、休憩や労働時間の具体的な扱いは、就業規則・労働基準法や勤務の実態によって変わります。ここでの時間割は一例として、細かい判断は就業規則と公式の案内で最新の内容を確認してください。
明日やること:ひとつのクラスで、午睡の時間割を1枚作る
いきなり全クラス分を作らなくて大丈夫です。まずはひとつのクラスだけ、次の順で午睡の時間割を書いてみましょう。
- 午睡の始まりと終わりの時刻を書く(例:13時〜15時)
- 30分ずつに区切った表を作り、職員の名前を横に並べる
- 先に「午睡の見守り」を埋める(必要な人数が欠けないように)
- 次に、6時間・8時間の区切りを見ながら「休憩」を埋める
- 残ったところを「記録の時間」にする
- どうしても足りないコマには、フリー職員・主任・園長の応援を書き込む
この順番にすると、見守りが抜けることも、休憩が後回しになることもありません。作った表をクラスの先生に見てもらい、「この時間なら休めそう」と言ってもらえたら、それが完成です。
確認チェックリスト
- 休憩とノンコンタクトタイムを、別の時間として扱っているか
- 午睡の時間を「休憩」「記録の時間」「午睡の見守り」に分けて、シフト表に書いているか
- 6時間を超える勤務に45分以上、8時間を超える勤務に60分以上の休憩が入っているか
- 休憩中の職員に、見守りや電話番を頼まない運用になっているか
- 休憩する場所を、保育室から離れたところに決めているか
- 見守りの人数が、クラスの人数や園の決まりに照らして足りているか
- 足りないコマに、フリー職員・主任・園長の応援を先に書き込んでいるか
- 休憩やノンコンタクトタイムが取れたかを、あとから振り返れるようにしているか
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午睡の時間は、園の一日のなかでいちばん静かで、いちばん詰め込まれやすい時間です。でも、30分ずつに区切って「休む人」「書く人」「見守る人」を決めるだけで、同じ2時間がずいぶん違って見えてきます。完璧な時間割でなくて大丈夫。まずひとつのクラスで1枚作ってみましょう。先生たちがちゃんと休めるのは、あなたがシフト表に休憩を書き込んだからです。